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私世代の人間だと「三菱・GTO」と言う単語を聞くと、「速いパジェロ。」や「速い戦車。」等のスポーツカーとは程遠い単語ばかりが浮かんで来ます。実際問題当時ライバルと呼ばれていた、日産・スカイラインGT-R(R32)の車両重量1430kgに対して、GTOは1700kgと言うヘビー級の重量だったのです。エンジンは6G72型と呼ばれる3000ccのV型6気筒ツインターボエンジンで、最大馬力は280馬力、最大トルクは42.5kgmと言うこの類の車ではトップクラスのパワーを誇っていました。このパワーをフルタイム4WDシステムによって路面に伝えていたのですが、いかんせん車重が重いのでゼロヨン等に参戦しているGTOは「ミッションとデフは使い捨て。」と言われるくらい駆動系にダメージが来ていました。アルミ製の4ポットブレーキを日本車で初めて採用したり、マイナーチェンジではAPレーシング製の6ポットブレーキ(当時は6ポットを装備している車なんて、レーシングカーくらいしかありませんでした。)をオプションに設定するくらいですから、三菱も弱点が車重である事は充分理解していたようです。ちなみにGTOはN1耐久レースで無敵と呼ばれたGT-Rと直接対決し、最高2位と言う成績を残していますので素質はかなり良いように思えます。余談ですが1991年の筑波9時間耐久レースで、三菱・ギャランVR-4はGT-Rを抑えて優勝していますのでこの時代の三菱はレース活動にかなり積極的だったみたいです。現在ではほとんど見る事の無くなったGTOですが、このように新車当時のデータを見るとかなりポテンシャルの高い1台である事が解ります。全長×全幅×全高:4560mm×1840mm×1290mmと言う、ロー&ワイドなボディは今見ても非常にカッコイイですし、普通に楽しむのであればノーマルでも充分過ぎるくらいの性能を持っています。予算的にも300万円くらい見ておけば程度の良い個体が買える相場となっていますので、この類の車にしては意外とお安く楽しめると言うのも魅力の1つです。残念な事にマイナー車種ゆえの個体数の少なさはどうにもなりませんので、検討されている方はなるべく早めに程度の良い個体を購入する事をオススメします。

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