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たまにですが「ホンダ・シティを探してもらえませんか?」と言うオーダーを頂く事があります。シティは客層が非常に面白い車で、上記画像の初代(AA)を「レストアしながら大切に乗りたい!」と言う方から「敢えてシティで速さを求めてみたい。」と言う方まで、本当に色々な好みのお客様で溢れています。シティは「トールボーイ」と呼ばれる、当時ではタブー視されていた全高を高めて居住性を確保すると言う斬新な方法を採用していました。現在では全高の高い車はたくさんありますが、当時はこのようなスタイルの車はほとんど見かけませんでした。絶妙なデザインと、当時本社の販売促進部で4輪の宣伝を担当していた有澤徹氏の冒険とも言える販売方法が実り、シティはピーク時には月販1万6000台、約2年間で15万台を記録する大ヒットとなりました。そんな大ヒット車種だったので、カブリオレモデルからハイパワーモデルまで色々なバージョンが発売されたのです。ちなみに上記画像は「ブルドッグ」の愛称で有名な最強モデル、シティ・ターボⅡです。張り出したブリスターフェンダーや、エンジン回転数が3000rpm以下の時にアクセルを全開にすると10秒間だけブースト圧が10%アップする「スクランブルブースト」を装備した過激なモデルでした。ちなみにシティターボⅡの最大馬力は110ps/5500rpmで車重が735kgですので、きちんと手を入れれば現在でも通用する戦闘力を秘めています。


初代シティが大ヒットしたせいか、2代目シティ(GA)は若干印象が薄いイメージがあります。スタイルも全高が低められ、ホールベースは伸びて車幅は広げられました。初期のGA1は1200ccエンジンで最大馬力が76馬力と言う普通の実用車だったのですが、下げられた全高と四隅で踏ん張るように配置されたタイヤのおかげでとんでもない旋回性能を誇り、実用車でありながら当時の主力マシンだった97馬力を誇るスズキ・カルタスGT-i(AA33S)とジムカーナA1クラスで闘い3位を獲得しました。1988年10月にマイナーチェンジが行われ、GA2と呼ばれる1300ccのD13Cエンジンを搭載するシティ・CR-iとCZ-iが登場しました。D13Cエンジンは電子制御インジェクションになっており、最大馬力は100馬力まで上げられていました。76馬力のGA1ですらとんでもない戦闘力だったのに、100馬力になったら誰も手が付けられません。当然の如く、ジムカーナA1クラスはほぼすべてがシティ(GA2)が占める事になってしまったんのです。「GA2じゃないとA1クラスは勝てない。」と言う状態が続いてしまったために、公認競技の規則改正が入ってしまい、シティは締め出されるような形で活躍の場を失ってしまいました。その当時の「最強のマシン。」の姿に憧れた方々が、現在でも根強く探しているのが上記画像のシティ(GA)です。GA型はCEやCGと言うグレードだと82馬力のエンジンとなりますので、最強スペックである100馬力仕様をお探しの方はくれぐれもご注意下さい。

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